外構としての石積み

新築に伴い、生まれた高低差を解消するのが一番の要領でした。ただの意匠ではなく、必要、必然の石積みです。

 

型枠に生コンを流すコンクリート擁壁であれば手っ取り早いのですが、自然素材を使い美しくまとめる外構はやはり造園屋の出番です。

石仕事は、まず採石場から石を選ぶことから始まります。今回は寒風山の採石場から。無数にある石の山です。 面があり、積む時に表と反対方向に重心が傾くような石を選びます。 あるようでいて、なかなかないものです。 3t車を一杯にするには、1日がかりで探し歩きます。 現場で首尾良く積めるように、石選びは重要です。

モルタルを使用せず積み上げる空積みという方法で施工しています。建物方向に重心があり、重力と石の組み合わせにより崩れにくくなってます。もちろん、故意に力を加えれば外れますが、乗っかった程度では崩れません。 

裏込めには砕石を詰めてあるので砂や土が多量に流れることはありません。

モルタルを使用していないということは石と石に隙間があるということ。それはネガティブなことではなく、隙間からシダなどの植物が生えたり苔が乗ってきたりします。深い目地の陰影が石の表情を際立たせます。

美しいエイジングを感じることができるのも、自然素材の良さでしょうか。

住宅 (有)西方設計 Q1住宅L2二ツ井

石材 寒風山採石場

全長23m