昨日1月9日は立川の昭和記念公園文化センターにおいて、街路樹サミットin立川が開催されました。
晴天の中、総武線を乗り継ぎ参加してきました。
このシンポジウムでは、実行委員会、司会進行、パネラー全員、日本の街路樹において最先端の意識を持つ方々で、やはり参加者も意識が高い方ばかりでした。
日本で近代的な街路樹の文化が入ってきたのは横浜とされていて、それから百数十年余りたちますが、近年、様々な問題が生じてきています。
・樹木らしい姿をしていない
狭い道路に植えられ、育っていく過程で家や道路に向かって枝は伸びていきます。それにぶつ切り剪定を繰り返されることでその樹本来の樹形というのは著しく損なわれます。 ぶつ切りされ、短くなってしまった街路樹では、景観の向上 緑陰の形成、防火、騒音の緩和等の効果は得られません。
・落ち葉の苦情
特に落葉樹においては、秋季に葉を落とします。 高木並木の葉量は想像以上に多く、落ち葉掃除にかなりの労力が払われます。 葉の敷き詰めた道を、風情と見れば問題は少ないのですが、やはり沿道の住民からすれば苦情の種になっているようです。
・根上がり
街路樹が数十年と育っていく過程で、根も同じだけ成長を図ります。狭い植え枡等の劣悪な場所においては、水、酸素不足に陥り、浅い土に根を這わせます。そうすると歩道のアスファルトを持ち上げ、凹凸ができることがたびたびあります。
など、街路樹が発展していくにつれ、色々な問題が出てきました。
一方、街路樹のあるべき姿や、効率よく恩恵を享受できる方法、人と仲良く共存させる在り方などを、気付き、発信してきた人たちも現れてきました。今回のシンポジウムの関係者がそうですが、全国的にも広まってきたようにも思います。
私も修業時代に、街路樹に関する市民団体を立ち上げ、新聞への寄稿や啓発活動を小規模ながらも行ってきたため、こうした動きは嬉しくもあり、刺激を受けます。
大類造苑として独立したこれからも、庭だけでなく街路樹などの街の緑についても関わっていければと思いました。
追記。。
以上に挙げた問題点は、すべての街路樹に当てはまるものではなく、正しい知識と計画、管理、行政業者の意識向上、等でクリアすることが出来ます。
特に横浜市、江戸川区等の街路樹先進地では苦情を抑える努力もしています。
おそらくは、市民、行政、業者の意思疎通を図り、正しい知識が浸透すれば、街路樹の姿も良くなり、いい景観を生みだすのだろうと考えています。