大類造苑の庭づくりでは、芝張りを提案することもあります。いずれも野芝か高麗芝で、日本芝を張るようにしています。
施主様には大類造苑によるメンテナンスの他、普段はご自分で管理して頂くことを勧めています。
芝は強い植物ではありますが、放っておいては伸びすぎてしまったり、他の植物に負けてしまいます。美しい芝生を維持するために生育期にはこまめな管理が必要になってきます。
いくつかポイントを掲載しておきます。
1芝刈り
後述の草取りと同じくらい頻度が高く、大事な作業です。生育期(秋田では4月中旬頃から9月いっぱい頃まで)でも、特に6〜8月は勢いよく成長しますので、月に数回、伸び具合を見て刈りましょう。
刈る高さは2センチから3センチぐらいが維持していきやすく、青々と綺麗です。 1センチから2センチ未満という低さでも、可能ではありますがおススメしていません。わずかな不陸(でこぼこ)があると刈りすぎてハゲてしまうからです。 また、軸刈りにもなってしまいます。軸刈りとは、芝の茎や成長点を刈ってしまうことです。成長点は必ず残すように刈りましょう。
軸刈りの様子(中央一部分)
2〜3センチだと葉を刈りますが、それ以下だと茎を刈ることになります。 繰り返せばだんだん衰えていき、他の草が替わりに生えてきます。 軸刈りだと刈り終えた後芝生が茶色ぎみになります。 弊社が管理している芝生では概ね2センチで刈っています。
こまめに刈り、伸ばし過ぎないように気をつけましょう。伸ばし過ぎは成長点を刈ってしまう要因になり、芝刈りの作業性も悪くなります。
芝刈り機については手押し、電動どちらでも構いません。 100㎡を超えるような面積が広い場所では電動の方が作業は楽かと思われます。 あまり広くない場所では40センチ幅で刈れる手押しのものを使っています。
2除草
風に乗って種が発芽したり、地中の地下茎から伸びてきたりと、他の草が良く生えてきます。 芝張りの施工の段階で可能な限り根は取り除きますが、それでも防ぎきれません。 こればかりは仕方がありませんので、見つけ次第、根気よく引き抜きましょう。芝を健康で密に育てることが、一番の予防策です。
3サッチ取り
サッチとは芝の下の方に溜まっている芝の枯れ草のことです。サッチが溜まりすぎてしまうと茎が伸びて、軸刈りの原因になります。また、蒸れる原因にもなり(蒸れは芝の弱点)、苔が繁殖しやすい環境になり、芝が衰退していきます。 作業頻度は毎月、とまではいかないですが目で見て枯れ草が目立ってきたら熊手や硬めの竹ぼうきで掻きましょう。
サッチを取り除くだけでも見た目が綺麗になります。
芝張り初年度では熊手で掻くと芝がめくれ上がってしまうこともあるので注意しましょう。
4水やり
芝張り初年度においては、晴天が続く時は毎朝かけても良いかと思われます。張ったばかりの芝の根はまだ浅く、地中の水分を獲得できません。暑い日が続くと葉が縮まります。それは乾燥している証拠ですぐにでも水をたっぷりかけてあげましょう。
水やりの時間は、朝か夕方です。表面を濡らすだけでなく、地中まで染みるようたっぷりかけてください。乾燥がひどい場合は朝夕2回かけます。 暑い日中は避けるようにしましょう。気温も高く、日差しも強い日だと散水した水が地表でお湯になり根や葉を傷めます。
一年が過ぎた頃になるとその地の環境にも慣れて、根も伸びていくため、乾燥に強くなります。
5肥料
初年度ではまだ必要ではありませんが、一年過ぎたあたりから、少しずつ施肥を行います。時期は春〜夏前には終わらせましょう。
粒状の有機入り肥料をムラなく少しずつ、です。強い肥料ですと葉がやけてしまうことがあります。 散水と同じく、暑い日中は避けるようにします。
施肥後はたっぷりと散水し、葉についた肥料を洗い流します。
と、5つほど挙げました。
場所やその年の気候の条件で変わってきますが、少しでもご自分で管理していく上での参考になれば幸いです。