土壌改良

大館市 新築クリニックの造園工事です。

北側17メートルを終え、南側58メートルの板塀と同時進行で土壌改良を行いました。

手で掘れないほど固く締められていて、深くまで掘っても砕石のような土が出てきます。 何かしら手を打たないとこうした土壌への植栽は難しいです。

水はけは決して良くはありませんが悪くもなく、酸欠状態を示すグライ化にもなっていませんでした。 水が染み込む速度はゆっくりではあるが、はけていく能力は多少あるようです。

既存の土は用土として使うことができないため、黒土、山砂、堆肥、木炭、社有地に堆積してあった粗朶を使ってマウンドを作っていくことにしました。それも、全体を改良するには広すぎるため、5箇所の植栽地を決めて、ピンポイントでの土壌改良です。

この地盤に足りないのは有機質です。

穴を掘ってただ土を入れ替えただけではおそらく樹木は育ちません。 長期的に植栽地として在り続けるために、有機質を加えます。

これは社有地にて堆積させた粗朶。2〜3年ほど経過し、粗朶全体に菌糸がめぐり良い状態のものです。

そうした粗朶を穴の床に敷き詰めます。腐って菌糸が巡ったもののみ入れていきます。 腐っていないものは炭素量が高すぎるため、避けています。

そして木炭を粗朶の隙間へ入れていきます。微生物にとって最高の住処です。

木炭を入れた後はバーク堆肥を敷き詰めます。

その後、粗朶をもう一度敷き詰めたのち、黒土と山砂を配合した土で盛り土を形成していきます。床に入れてある有機質層へと根を伸ばしていくことをイメージしています。この層には微生物が多く滞在しているので、寄せ植えした樹木のそれぞれの根と共存していきます。

地盤が良くない場所ほど、植木屋の腕が試されるようです。

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