銀杏山神社の輝き

毎年この季節になると銀杏山神社の銀杏に会いに訪ねます。
数百年かけて根を下ろした銀杏は、もはや御神体であり、象徴です。
新緑や、夏に来てももちろん素晴らしいのですが、やはりこの時期の葉の輝きは格別です。

今年も本当によく色づいていました。

周りのロケーションも美しいため、ここはひっそりと、観光客を増やすことなく保護していくべき場所だと、感じています。

ただ、今回訪ねた銀杏山神社、個人的に残念に感じた変更がいくつかあったのでここに記します。

2枚目の写真でも解るとおり、新しい側溝と舗装が敷設されています。

これです。

私が思うに、この銀杏の根は側溝よりもはるか遠くに伸ばしていたはずです。

この工事にあたって、側溝と舗装で切断された根がどれ程あったのかという懸念です。

私が記憶する限り、この周りで露頭した根につまづきながら写真を撮った覚えがあります。 ということは、割と浅い土壌に細根を張り巡らしていた可能性があり、この工事で深さ40~50センチ床掘りすることはリスクでしかありません。まして老木の周りです。 若い樹ならある程度の環境の変化に耐えられる可能性は高いですが、樹齢数百年の老木となれば、代謝が進まず樹勢が衰えやすくなるのは想像するに容易いことです。 

そしてこの舗装も良いものではありません。 

アスファルトで土を覆う事により空気と水の出入りが減少します。 落ち葉等の有機質と遮断された土壌はだんだんと痩せていき、ミミズなどの小動物も減り、耕すものが居なくなった土壌では硬く締まっていきます。  まあ、透水性の舗装材ではあるのですが、その能力も目詰まりなどで、長く続くものではありません。  

もうひとつ気になったのが、今年になって、樹を中心に広範囲に敷かれたチップの事です。

杉のチップでしょうか。。

「銀杏の下に杉のチップ」   不自然に感じませんか? 「銀杏の下に銀杏の葉」 こちらの方が自

然ですね。

多分、小奇麗な公園か何かのイメージで施工されたのでしょうが、 ここは境内なので、自然のままの方が、雰囲気も高まるはずです。

このチップの厄介なのが、厚さ15センチ位もあることです。 いくらなんでも厚すぎです。露頭した根でつまづかない処置や踏圧の軽減だろうとは思うのですが。

ここで樹木がなぜ葉を落とすのか考えましょう。 

環境に適応するため。

新しい葉で効率よく光合成するため。

あと何かありますかね? すぐにはおもいいつきませんが。
葉を落葉させることで、土壌を肥やす役割もあります。 樹木は窒素分を土壌から得ています。落葉落枝、枯死することで土壌に窒素分を還元させます。葉などの有機物を小動物が分解し、耕し、さらに細かく微生物などの分解を受け無機化され再び樹木が利用します。 その循環を絶たれると徐々に土壌は痩せていきます。
作物を育てる畑では生み出した有機物が収穫等で持ち去られる為、施肥が必要になります。

樹木は自ら枝葉を落とし、土壌を肥やすため、「自己施肥」とも呼ばれています。
そのため、その場で出た枝葉はその場で還してやるのが好ましく、自然なことだと思います。
銀杏の下にチップなどは不要です。 

最後にもう一つ。

階段も整備されていました。

こちらは以前の階段の写真です。

地元産の切り石で作られています。 

主観の話になりますが、 こちらの方が境内の階段として相応しかったと思います。地元産ということに意義があったのです。そしてこの先崩れる心配もありませんでした。永年かけて擦り減った石の表面が美しかったのにっ

結論として、わざわざ工事などせず、そのままで良かったのではという印象でした(あくまで個人的に)。  
順調に数百年生きてきた場所に、今頃になってなぜ人が手を加えなければならなかったのでしょうか。
観光客が増えると、土の踏圧で樹が衰退することもあります。 
神社の境内らしく、自然なままで在るべきだと、思いました。

ただ、整備されて、利用しやすくなったって方もおられることでしょうね。 難しいものです。

まとまらず、乱文になりましたがこのままアップしちゃいます^^;へば

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