訳あって、1日で作り上げた小さなウッドデッキ。
お施主は一人暮らしのおばあさん。友達と座って花を眺めるためのデッキを希望されていたので、耐久性を持たせつつ簡易的に、拵えたのです。
これから沢山の種類の花が咲くと、嬉しそうに教えてくれました。
僕ら植木屋がつくる庭は程度や質が違えど作為があって、いわゆる「庭」に仕上げていきます。この庭はおばあさんが一人でつくっていて、作為が薄くてナチュラルな印象です。歩きやすい動線がやがて道になって、その境は植物などでぼやけています。 これからの時期は柿、梅、モクレン、ブナで大きな緑陰をつくっていて、その下で花たちが咲いているような。 全体の写真は載せられませんが、言葉で表すならそんな感じです。
作為の有無は別に良い悪いのはなしではありませんが、時間の経過が作為を薄めていくのだとしたら、その経過にうまく溶け込むようなカタチにつくっていくことは、庭づくりにおいて大事なことですね。 ここの庭を見て、そんなことを思っていました。
デッキから庭を眺めたい、という長年の願いだったそうです。
お手伝いすることができて、良かったです。